Aくんに,電話でこれから飲みに行こうと誘われた
「みんなで集まってから,お店を決めましょう」と言うので,とりあえず,決めた時間に指定された場所に行ってみた
そこには,BくんとCくんも来ていた
「やあ,Cくん,久しぶりぃ。元気だった?」
Cくんは,はにかんで笑っていた 懐かしいCくんに会えてうれしい
時間になってもAくんは来ない
Bくんが,「そのうち来るでしょう。とにかく,お店を決めておきましょうよ」と,言うので,街の中をぶらぶら歩きはじめた
Bくんが,「ここに並んでる5軒,同じチェーン店なんですよ。中の雰囲気はぜんぜん違いますけどね。珍しいでしょ?」「へえ~,そんなとこもあるんだ」と驚いた
とりあえず,その中のひとつに入ろうということになった
「それにしても,Aくん,遅いなあ」
「まあ,いいじゃないですか」
中に入ると薄暗く,お店の中をふわふわとボールのようなものが,数個漂っていた
それが壁や柱に当たると,ポカンと割れて,粉のようなものが,飛び散る
「何?あれ」
「さあ… 何でしょうね」
とにかく,飲み物をオーダーする
オーダーが終わって,店内を見まわしていると,お客さんが思ったより入っていたことに気づいた ただ,大きな笑い声もなく静かな雰囲気
「何か,変な感じのお店だよねえ」
突然,足元で,けたたましく犬が吠えはじめた
僕は,あまりに急なことなので,驚いてしまった
Bくんが,笑う
「あはは それ,お店のアトラクションです 音だけ出してるんですよ 猫とかライオンのもあるみたいです」
「こんなアトラクション,いらないよ。飲みに来てるんだよ,まったくぅ」
「はじめての人は,みんな驚くんですよ」
怒るに怒れないし,びっくりしたのとで,早くお店を出たい気持ちになっていた
飲み物が届いた
「ああ,びっくりしたあ。じゃ,まず,乾杯ということで」
Aくんはいないけど,とりあえず3人で乾杯
「ん? Cくん,それ何?」
「ムカデ入りチューハイです」
「ぎゃあ~」
僕は,お店を飛び出した
2人もあとから,お店を出てきた
「冗談ですよお」
Cくんが,いくら弁明しても,とにかくあのお店はいやだ
「ひどすぎるよ。何なんだろう,あのお店」
Bくんが,「すみません。ああいうタイプのところなんですけど,いやでしたか?」
「いやに決まってる」僕はプンプンしながら答えた
「落ち着いたところで飲みなおしましょう」とCくん
今度は,お庭の見える畳の座敷のある部屋の料亭へ
「男だけで飲むなら,こんなとこでなくても」
「いえ,さっきのお詫びも含めて お会計の心配はいいですから」とBくん
おいしそうなお料理が並べられはじめる
Bくんが「すみません,ちょっとトイレに行ってきます」というと,Cくんも「僕も」と席をたった
ところが,5分経っても,10分経っても戻ってこない
そこへAくんから電話が来た
「すみません,時間に間に合わなくて。みんな揃ってますか?ようやく,隣りの街でいいお店見つけました」
Aくんの無神経さに,愕然とした
「いいよ。用事ができたから,きょうは帰るよ」
僕は,電話を切ると,そのお店も出た
「連れのふたりに,用事ができたから,先に帰ったと伝えてください」と,お店の人に伝言を頼んだ お店の人は怪訝そうな顔をしていた
帰りの途中,気分晴らしにと,ひとりで居酒屋に寄った
そしたら,そこにBくんがいるではないか
「おいおい」
「あっ,すみません。あのお店の廊下を歩いていたら,この友達とばったり会ってしまって。ちょっとだけのつもりで,ここに来たんですが。今からいっしょに戻りましょう」
もう,僕には,怒る気力さえなかった
「Cくんは?」
「えっ! Cくんですか?へんなこと言わないでくださいよ。Cくんなんて,最初からいませんよ」
「えっ! Bくんには,見えてなかったの? あっ,そういえば,Cくん,若い頃に亡くなったんだっけ…」
ゆうべ,そんなへんな夢を見た…
(以前,あるコミュニティサイトにいた頃の日記が,検索サイトをながめていたら出てきた
懐かしい…
消えてしまったものと思っていたが,その頃おつきあいをしていただいた方々とのやりとりまで残っている
そんなことばのやりとりは,心の奥に,ひっそりと沈殿しているものらしい
残していただいてた,検索サイトさん ありがとうございます)